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国際バカロレアとは?4つのプログラムと資格の取り方・認定校の種類

国際バカロレア インターナショナルスクール 学校選び
公開

お子さんの学校の案内や説明会で、「IB」「PYP」「国際バカロレア認定校」という言葉を見かけたことはありませんか?
保護者の方からは、次のような疑問をよく聞きます。

  • 国際バカロレアは資格なのか、学校なのか、カリキュラムなのか
  • 今の学校のIBを、中学や高校、帰国後も続けられるのか
  • 英語が母語でない子でもついていけるのか
  • 日本の大学受験で不利にならないのか

言葉の意味があいまいなままだと、中学・高校の学校選びで「IBの学校かどうか」を判断の材料にできません。

結論を言うと、国際バカロレアは3歳から19歳までの年齢別プログラムを持つ世界共通の教育課程です。
高校段階のDPを修了すると、世界の大学で使える入学資格が得られます。
小学生のうちに知っておきたいのは、IBを受けられる学校が「日本の学校(一条校)」と「インターナショナルスクール」に分かれることと、日本語で学べるDPがあることです。
なぜなら、学校の種類で卒業資格の扱いが変わり、日本語DPを選べるかどうかで求められる英語力が大きく変わるからです。

この記事では、次の内容を順に説明します。

  • 国際バカロレアの仕組みと4つのプログラム
  • 国際バカロレア資格の取り方
  • IBを受けられる学校の種類
  • 小学生の保護者が確かめておきたいこと
  • 日本語DPと、IB資格を使える大学

IBを初めて調べる保護者の方でも、読み終えるころには我が家が何を確かめればよいかがわかるようになります。

国際バカロレアは世界共通の教育プログラム

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、国際バカロレア機構が提供する国際的な教育プログラムです。
1968年に始まり、本部はスイスのジュネーブにあります。

国際バカロレアは、ひとつの学校の名前でも、ひとつの試験の名前でもありません。
世界中の学校が導入できる「共通のカリキュラムと評価の仕組み」だと考えるとわかりやすいでしょう。

世界約6200校が導入している

国際バカロレアの認定を受けている学校は、2026年6月時点で世界163の国と地域に約6,200校あります。
日本の認定校等は、プログラム単位で数えて273校です(2026年6月30日時点、候補校を含む)。

プログラム認定校候補校
PYP(幼稚園・小学校)91校36校
MYP(中学校)48校10校
DP(高校)80校6校
CP(高校)1校1校

IB認定校・候補校(IB教育推進コンソーシアム)をもとに作成

候補校とは、認定を受けるために準備を進めている学校です。
説明会で「IB校です」と聞いたときは、認定校なのか候補校なのかも確かめておきましょう。

問いを立てて調べる授業が中心

IBの授業は知識を覚えることよりも、自分で問いを立てて調べ、考えたことを発表したり書いたりすることを重視します。
IBのカリキュラムには、次のような特色があります。

  • 課題論文
  • 批判的思考や探究を重視した学び方
  • 先生と生徒、生徒どうしがやり取りしながら進める協働型の授業

IBは、目指す人物像として10の「学習者像」も掲げています。
「探究する人」「考える人」「コミュニケーションができる人」「振り返りができる人」などです。
どの年齢のプログラムも、この学習者像に近づくことを目標に組み立てられています。

認定はプログラムごとに受ける

「IB認定校」といっても、学校のすべての学年がIBで学んでいるとは限りません。
IBのプログラムは、すべてを導入することも1つだけを導入することもできます。

例えば、高校だけがDPの認定を受けていて中学校はIBではない学校があります。
同じ高校の中でも、IBのコースと一般のコースに分かれている学校も少なくありません。
学校を調べるときは「どの学年のどのコースが、どのプログラムの認定を受けているか」を見ましょう。

年齢別の4つのプログラム

ここからは、IBのプログラムの中身を見ていきます。
IBには、子どもの年齢に合わせて4つのプログラムがあります。
小学生のお子さんが今どの段階にいて、この先どこにつながるのかを確かめてみてください。

プログラム対象の年齢日本の学校でいうと
PYP3〜12歳幼稚園・小学校
MYP11〜16歳中学校〜高校1年生
DP16〜19歳高校2・3年生
CP16〜19歳高校2・3年生

IBの概要(IB教育推進コンソーシアム)をもとに作成

PYP:幼稚園と小学校

PYP(Primary Years Programme:初等教育プログラム)は、3〜12歳を対象にしたプログラムです。
「私たちは誰なのか」「世界はどのような仕組みになっているのか」のような、教科の枠をこえた6つのテーマを授業で扱います。
テーマに取り組みながら、言語、算数、理科などの内容を学ぶ仕組みです。

海外のインターナショナルスクールで「PYP」という言葉を聞いたことがあるなら、お子さんは今この段階で学んでいます。

MYP:中学校

MYP(Middle Years Programme:中等教育プログラム)は、11〜16歳を対象にしたプログラムです。
日本の学年でいうと、中学校から高校1年生にあたります。

8つの教科を学びながら、教科どうしのつながりや学んだことと社会とのつながりを意識させる授業が中心です。
学びのまとめとして、自分でテーマを決めて取り組む「パーソナルプロジェクト」や、地域の課題に取り組む「コミュニティープロジェクト」があります。

DP:高校の2年間

DP(Diploma Programme:ディプロマ・プログラム)は、16〜19歳を対象にした2年間のプログラムです。
日本の学校では、高校2・3年生で学ぶのが一般的です。

DPを修了して最終試験で基準の点数を取ると、「国際バカロレア資格」が得られます。
これが世界の大学入試で使える資格です。
「国際バカロレア」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、このDPのことでしょう。

CP:職業教育と組み合わせた高校段階

CP(Career-related Programme:キャリア関連プログラム)は、DPと同じ16〜19歳を対象に、キャリア教育・職業教育と結びつけて学ぶプログラムです。
日本では認定校と候補校が1校ずつと、まだ限られています(2026年6月30日時点)。

国際バカロレア資格の取り方

プログラムの全体像がつかめたところで、DPで得られる「国際バカロレア資格」の中身を見ていきましょう。
国際バカロレア資格は、DPの2年間で6科目と必修の3科目を学び45点満点中24点以上を取ると得られます。

選択科目:6つの教科から1科目ずつ学ぶ

DPでは6つの教科グループから原則1科目ずつ選び、2年間で計6科目を学びます。

教科グループ主な科目
1. 言語と文学母語にあたる言語の文学など
2. 言語習得外国語
3. 個人と社会地理、歴史、経済、心理学など
4. 理科生物、化学、物理など
5. 数学数学:解析とアプローチ、数学:応用と解釈
6. 芸術音楽、美術、演劇など

国際バカロレアの大学入試における活用について(文部科学省)をもとに作成

6科目のうち3〜4科目は上級レベル(HL:240時間程度)、残りの2〜3科目は標準レベル(SL:150時間程度)で学びます。
得意な科目や進みたい大学の分野に合わせて、科目とレベルを選べるのが特徴です。

必修科目:必ず3科目学ぶ

6科目とは別に、全員が取り組む「コア」と呼ばれる必修の3科目があります。

  1. 課題論文(EE):自分で研究テーマを決めて調べ、論文にまとめる。英語なら4,000語、日本語なら8,000字
  2. 知の理論(TOK):「知っている」とはどういうことかを、教科をこえて考える。最低100時間学ぶ
  3. 創造性・活動・奉仕(CAS):芸術、運動、ボランティアなど、教室の外での活動に取り組む

DPの生徒は、6科目の授業と並行してこの3つを進めます。
課題が多く、時間の使い方が大切になると言われるのはこのためです。

取得条件:45点満点中24点以上で国際バカロレア資格を得られる

点数は、6科目がそれぞれ7点満点で計42点、課題論文と知の理論で最大3点、合わせて45点満点です。
各科目の点数は、学校の先生がつける評価(内部評価)と世界共通の最終試験などの評価(外部評価)を合わせて決まります。

国際バカロレア資格を得るには、原則24点以上が必要です。
24点以上でも、次のような条件を満たさないと資格は得られません。

  • 創造性・活動・奉仕を終えている
  • すべての科目、知の理論、課題論文で評価がついている
  • すべての科目で2点以上を取っている
  • HLとSLの科目で、それぞれ決められた合計点以上を取っている

最終試験は世界的に5月と11月に行われ、日本の一条校では11月に受ける生徒が多くなっています。

国際バカロレアを受けられる学校の種類

ここまでで、IBの中身はつかめたのではないでしょうか?
次に考えたいのが「どこで受けるか」です。
日本でIBを受けられる学校は、大きく「一条校」と「一条校以外」に分かれます。
インターナショナルスクールの多くは一条校以外ですが、一条校として認められているインターナショナルスクールもあります。
どちらを選ぶかで、卒業したときに得られる資格が変わります。

種類学校数日本の学校の卒業資格
一条校95校得られる
一条校以外(インターナショナルスクールなど)73校多くは得られない

IB認定校・候補校(IB教育推進コンソーシアム)をもとに作成(2026年6月30日時点)

一条校:日本の卒業資格も得られる

一条校とは、学校教育法の第1条で定められた学校のことです。
公立・私立の小学校や中学校、高校など、いわゆる「日本の学校」です。

一条校のIB認定校は、学習指導要領とIBのカリキュラムの両方を満たすように授業を組むことが求められています。
そのためIBで学びながら、日本の小学校・中学校・高校の卒業資格も得られます。
DPで国際バカロレア資格を取れなかった場合でも、高校の卒業資格があれば日本の大学の一般入試を受けられます。

一条校のIB認定校には、都立国際高校のような公立校も私立の中高一貫校もあります。

インターナショナルスクール:多くは日本の学校ではない

日本にあるインターナショナルスクールの多くは、一条校ではありません。
各種学校として認可された学校や、認可を受けていない学校などに分かれます。

ただし、一条校として認められているインターナショナルスクールもあります。
例えば、長野県のユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンは、DPを実施している一条校です。
気になるインターナショナルスクールがあれば、一条校かどうかを学校に確かめておきましょう。

ここで知っておきたいのは、日本に住む日本人の保護者には、義務教育の年齢の子どもを一条校に通わせる義務があることです。
一条校ではないインターナショナルスクールに通っても、日本の小学校・中学校を卒業したことにはなりません。

インターナショナルスクールに通わせるかどうかは、この点を知ったうえで決めましょう。
すでに国内のインターに通っている場合は、中学・高校で一条校に移る可能性があるかを早めに家族で話し合っておくと安心です。

小学生の保護者が確かめておきたいこと

IBは、DPの2年間だけを見て決めるものではありません。
小学生のうちに次のことを確かめておくと、中学・高校の学校選びでIBを候補に入れるかどうかを判断しやすくなります。

子どもに合う学習言語

IBを英語で学ぶなら、教科の内容を英語で読んで英語で論文や答案を書く力が必要です。
DPでは英語の授業を受けるだけでなく、課題論文や知の理論の小論文も英語で書きます。

一方で、DPを実施する日本の一条校の多くは、一部の科目を日本語で学べる「日本語DP」を実施しています。
英語は得意でも、論文を書くなら日本語のほうが力を出せる子もいるでしょう。
お子さんが英語と日本語のどちらで考えを深めやすいかを、今のうちから見ておきましょう。
日本語DPの仕組みは、このあと詳しく説明します。

中学から始めるならMYPの学校

中学からIBで学ばせたいなら、MYPの認定を受けている中学校が候補になります。
一条校でMYPを実施している学校は27校あります(2026年6月30日時点)。

東京学芸大学附属国際中等教育学校、開智日本橋学園中学校、さいたま市立大宮国際中等教育学校などが、MYPを実施している一条校の例です。
入学するには、中学受験や帰国生入試、公立中高一貫校の適性検査を受けることになります。
入試の方法や出願資格は学校ごとに違うので、志望校の募集要項で確かめておきましょう。

高校からDPに入る道

中学でIBを経験していなくても、高校からDPに入る道があります。
一条校でDPを実施している学校は50校あり、そのうち37校が日本語DPを実施しています(2026年6月30日時点)。

高校受験でIBのコースがある高校を受ける方法のほかに、中高一貫校に入って高校からIBのコースを選ぶ方法もあります。
高校でIBコースを選べるかどうかは、中学受験の段階で学校のコース制度を確認しておくとよいでしょう。

帰国後もIBを続けられる学校

海外でIBの学校に通っているなら、帰国後にIBを続けられる学校を先に調べておきましょう。
確かめたいのは次の3つです。

  1. 帰国する学年で、どのプログラムを実施している学校があるか
  2. その学校が一条校か、インターナショナルスクールか
  3. 途中の学年から編入できるか、帰国生入試で入れるか

PYPやMYPを学んでいても、帰国先の学校がIBでなければ日本の教科書に沿った授業に切り替わります。
IBを続けることにこだわりすぎず、帰国生入試で受けられる学校とあわせて候補を広げておきましょう。

日本語で学べる日本語DP

「DPは全部英語で学ぶもの」と思われがちですが、日本語DPなら英語が母語でない子でも国際バカロレア資格を目指せます。
日本語DPは、DPの科目の一部を日本語で学び、日本語で試験を受けられる仕組みです。
文部科学省が国際バカロレア機構と協力して、2013年度から導入を進めてきました。

日本語で学べるのは、次の科目です。

  • 経済、地理、歴史
  • 生物、化学、物理
  • 数学(解析とアプローチ、応用と解釈)
  • 音楽、美術
  • 必修の3科目(知の理論、課題論文、創造性・活動・奉仕)

ただし、日本語DPでも6科目のうち2科目は英語などで学ぶ必要があります。
通常は外国語の科目に加えて、もう1科目を英語などで学びます。
英語の力がまったく要らないわけではない点は、知っておきましょう。

日本語DPを実施しているのは、一条校が37校、一条校以外が2校です(2026年6月30日時点)。
学校の説明会では「日本語DPを実施しているか」「どの科目を日本語で学べるか」を質問してみてください。

国際バカロレア資格を使える大学

最後に、国際バカロレア資格を取ったあとの進路を見ておきましょう。
国際バカロレア資格は、日本でも海外でも大学の入学資格として認められています。
日本では、1979年から国際バカロレア資格が大学入学資格に指定されています。

国内では82大学

国際バカロレアを使った入試を実施している国内の大学は82大学です(2025年1月時点)。
全学部で実施しているのが39大学、一部の学部で実施しているのが43大学です。
この数には、帰国生や留学生だけを対象にした入試は含まれていません。

国立大学では東京大学、京都大学、大阪大学、筑波大学など、私立大学では慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、国際基督教大学などが含まれます。
国際バカロレアのスコアに加えて、小論文や面接などを組み合わせて選考する大学もあります。

国際バカロレアの大学入試における活用について(文部科学省)に大学の一覧が載っています。
大学ごとの詳しい条件は、IBを活用した入試(IB教育推進コンソーシアム)で確認できます。

海外では入学の基準になる

海外の大学では、国際バカロレアのスコアが入学の基準として広く使われています。
例えば、イギリスでは出願を取りまとめる機関(UCAS)が国際バカロレアのスコアの換算表を作り、各大学が入学の目安に使っています。
アメリカでは選抜の厳しい大学を中心に、IBの履修をすすめたり評価したりする例が多く見られます。

上級レベル(HL)の科目で一定の点数を取ると、入学後にその科目の単位が認められることもあります。
海外の大学も進学先の候補に入れたい家庭にとって、DPは有力な選択肢になります。

まとめ

国際バカロレアは、3歳から19歳までの年齢別プログラムを持つ世界共通の教育課程です。
高校段階のDPで45点満点中24点以上を取ると、国内外の大学入試で使える国際バカロレア資格が得られます。

  • 4つのプログラムは年齢別
  • 資格はDPで取る
  • 一条校なら卒業資格も得られる
  • 日本語DPなら日本語でも学べる
  • 国内では82大学が入試に使う

小学生のうちは、お子さんに合う学習言語と中学・高校のどこからIBに入るかを考えておけば十分です。
IBに興味を持ったら、まずは候補になる学校の説明会で、プログラムの種類、一条校かどうか、日本語DPの有無を質問してみてください。